時計は磁気の影響を受けますか?

時計は磁気の影響を受けて時刻が狂う場合がありますので、身の回りの電気製品にご注意下さい。

電気製品(オーディオ製品のスピーカー部分など)や携帯電話、磁気ネックレス及び家具やバッグのマグネットなど、身の回りには磁気を発生する製品がたくさんあり、突然の「止まり」「遅れ」「進み」を生じた時は、磁気の影響を受けている可能性があります。又、磁気の影響を最小限にするよう工夫した耐磁時計(ウオッチ)が市販されています。

アナログクオーツ時計、コンビネーションクオーツ時計

アナログクオーツ時計、コンビネーションクオーツ時計は、針を動かすために磁石の性質を利用したモーターを駆動させる方式を採用していますが、このモーターは外部から強い磁気を受けると正常な回転が影響を受け、時計の「止まり」「遅れ」「進み」の原因となることがあります。

磁気によって狂いの生じた時計は、故障しているわけではありませんので、磁気から遠ざければもとの精度に戻ります。あらためて正しい時刻にセットし直してご使用下さい。

機械式時計

機械式時計もクオーツ時計ほど顕著ではありませんが、強い磁気を受けると時刻のずれが生じる場合があります。機械式時計は一度磁気の影響を受けると、磁気から遠ざけてもムーブメント内部に磁気の影響が残り、後々まで精度に影響を及ぼしますので、脱磁(修理)が必要になります。脱磁(修理)はお買い上げ店へご相談下さい。

使用上の留意点

磁気ネックレスや携帯電話は強力な磁界を発生します。時計を外して置く場合や、バッグに入れる場合は、磁気ネックレスや携帯電話と一緒にしないように特にご注意下さい。
また、医療機器にも、極度に強い磁気を発生するものがありますのでご注意ください。

耐磁性能

種類 耐えられる磁界の強さ
(直流磁界の場合)
説明
一般の時計 1,600A/m
(約20ガウス)
腕時計が最低限、満たしていなければならない耐磁性能。(参考)
1種耐磁時計
(耐磁時計)
4,800A/m
(約60ガウス)
日常生活において,磁界を発生する機器に耐磁時計を5 cmまで近づけてもほとんどの場合に性能を維持できる水準。
2種耐磁時計
(強化耐磁時計)
16,000A/m
(約200ガウス)
日常生活において,磁界を発生する機器に耐磁時計を1 cmまで近づけてもほとんどの場合に性能を維持できる水準。
ダイバーズ時計 4,800A/m
(約60ガウス)
ダイバーズ時計が満たしていなければならない耐磁性能
  • 1種と2種はJIS 「B7024 耐磁携帯時計」、ダイバーズ時計は「B7023 潜水用携帯時計-種類及び性能」で規定している
  • 一般の時計は旧JIS B7024に参考として記述されていたが、現在はISOに合わせて削除されている

製品ごとの具体的な耐磁性能については各メーカーにお問い合せ下さい。