時計の精度について教えて

メカウオッチの精度

メカウオッチは、手巻、又は自動巻で巻き上げた「ぜんまい」のほどける力をエネルギー源として駆動し、機械的に振動する「てんぷ」の性能が主に時間精度を左右します。

「てんぷ」の振動数は、一般的な5~6ビート/秒から、ハイビート(高振動)の8~10ビート/秒までのものがありハイビートほど高精度になります。

時間精度は日差数秒から日差±数十秒のものまであります。

「てんぷ」の振動数を上げて高精度化するのは耐久性の点で困難ですが、緩急針調整装置の機構などでの機械的に微細な精度調整を行う日差±5秒レベルの高精度品のメカウオッチもあります。

メカウオッチは、「ぜんまい」の巻上げ状態、時計の姿勢、温度差や外部からの衝撃、磁気 などの影響をうけて精度に誤差を生じる要因を持っています。

従ってメカウオッチはカタログなどに精度が表記されている場合は巻き上げ状態、時計の姿勢、温度などが一定の条件下で測定された精度であり、実際に腕につけて使用すると表記された精度に入らない場合があります。

メカウオッチで精度が表記されないものがあるのはこのためです。

クオーツウオッチの精度

クオーツウオッチの良さとして最大のポイントは時間精度が極めて高い点です。

振動の周波数が、メカウオッチの「てんぷ」の約数千倍と高周波(32768Hz)である「水晶振動子」を時間基準としているため、日差数秒が限度のメカウオッチに対して、一般品のクオーツウオッチの時間精度は月差±20秒のレベルです。

「水晶振動子」の高周波化や各種温度補正による高精度化、また電波修正による時刻の自動補正方式の利用など、時間精度については更なる向上が図られています。

「水晶振動子」は音叉型の振動子で温度変化に対して影響をうけますが、「ひげぜんまい」を用いて機械的に振動する「てんぷ」に比べ、衝撃や姿勢差の影響を受け難く、外的要因に対する品質の信頼性が高いので、メカウオッチのように時刻のずれを気にすることなく長期間安心して使用できます。

ステップモーターを用いているアナログクオーツ、及びコンビネーションクオーツの場合は、磁気の影響を受けますので注意が必要です。

クオーツウオッチは安定した電圧の電池類をエネルギー源として使用しているため、時間精度を始めとする諸機能が長期間安定して得られ、かつ電子部品を使用しているため故障率がメカウオッチに比べて低く、信頼性が高い点も特徴です

クオーツクロックの精度

クオーツタイプの掛時計、置時計、目覚時計は、特に表示のあるもの以外はアナログで平均月差±20秒、デジタルで平均月差±30秒です。

尚、日本には四季による温度変化がありますので、一年中時間精度を一定にすることはできません。そのため上記精度は気温5℃から35℃での使用を前提とした設計になっています。

(注):本内容は、日本時計協会会員及びその製品に適用されている事項です。