江戸時代の「時間」は今とどこが違った?

イラスト

ホロロジはかせのちえぶくろ

江戸(えど)時代の時刻(じこく)は、今のように○時○分でなく、「暮(く)れ六つ」などと表したんだ。これは、一日を、日の出から日の入りまで(昼)と日の入りから日の出まで(夜)に分け、さらに昼と夜それぞれを6つずつ同じ長さに分けて表したものなんだ。

今の午前0時が「真夜九つ」で、そこから「夜(よる)八つ」「暁(あかつき)七つ」「明(あ)け六つ」「朝(あさ)五つ」「昼(ひる)四つ」となり、今の正午が「真昼(まひる)九つ」で、そこから「昼(ひる)八つ」「夕(ゆう)七つ」「暮(く)れ六つ」「宵(よい)五つ」「夜(よる)四つ」となる。1じゃなくて9から始まって数字がへっていくって、ふしぎだよね。そのほか、十二の動物=十二支(じゅうにし)をあてはめて時刻を表すこともあったよ。

イラスト

ホロロジはかせのちえぶくろ

季節(きせつ)によって昼や夜の長さはちがうから、例(たと)えば「暮れ六つ」は、昼の長い6月後半には今の19時半すぎ(午後7時半すぎ)、昼の短い12月後半には17時すぎ(午後5時すぎ)くらいになる。このように、季節によってちがう時間の進み方を「不定時法(ふていじほう)」といい、今のように季節によって変(か)わらない時間の進み方を「定時法(ていじほう)」というよ。

江戸時代の人々は、「明け六つ」になると店を開き、「暮れ六つ」になるとしめるというふうに、不定時法の時刻に合わせて暮(く)らしていた。だから、太陽の出ている時間の長い夏は長い時間働(はたら)いて、太陽の出ている時間の短い冬は働く時間が少なくなる。今ではおかしいような気もするけれど、明るくなったら働いて、暗くなったら休むという生活は、電気のなかった時代には、自然(しぜん)なことだったのかもしれないね。