耐磁性能

耐磁時計身のまわりには、磁石や、磁気の発生する製品などが、意外に多くあります。それらの磁気の影響をうけて「知らない間に時計の時間が遅れている」というようなトラブルが発生します。

  • 磁気が時計にどういう影響を及ぼすのか?
  • 耐磁性についてどのような規格があるのか?

この耐磁性能について紹介いたします。

【磁気による時計への影響】

時計のタイプにより、下記のような磁気による影響が発生する場合があります。

時計のタイプ 磁気の影響 理由
アナログクオーツ 進み・遅れ・止まり ステップモーターが磁石でできているため、外部から磁気をうけると影響される。磁気から遠ざけると復帰する。
機械式時計 進み・遅れ 内部部品が磁化されててんぷの動作に影響し、精度に影響がでる。
元の精度に戻すには脱磁が必要。
デジタルクオーツ 無い 磁気の影響を受ける部品がない為、磁気をうけても変化はない。

※コンビネーション時計:アナログ部分のみ進み・遅れなど影響、デジタル部分は磁気による影響はありません。

【耐磁の規格】

磁気の強さに時計が影響されないように、耐磁性能を考慮して時計は設計されています。どのくらいの磁気に耐えられるかについては、日本工業規格『JISB7024耐磁携帯時計一種類及び性能』に規定されています。

耐磁の種類 JIS保証水準 内容
非耐磁時計 1600A/m 1990年までの輸出検査で行われていた基準値。
耐磁時計以外でも基本的に満たされるレベルの値
第1種耐磁時計 4800A/m 磁気に5cmまで近づけてもほとんどの場合性能を維持できるレベル
第2種耐磁時計 16000A/m 磁気に1cmまで近づけてもほとんどの場合性能を維持できるレベル

第1種耐磁時計、第2種耐磁時計の規格を満足する時計については、"耐磁時計"と表示することができます。
具体的には、裏蓋や、タグ、カタログに"第1種耐磁時計"、"第2種耐磁時計"の表示が可能で、表示方式は下記3種の何れかになります。

第1種耐磁時計 第2種耐磁時計
耐磁時計 強化耐磁時計
MAGNETIC RESISTANT 4800
(注:4800は表示しなくても可)
MAGNETIC RESISTANT 16000
第1種耐磁時計 MAGNETIC RESISTANT 4800 第1種耐磁時計 MAGNETIC RESISTANT 4800

潜水時計については、職業ダイバーの方がサルベージ作業などでマグネットで体を船体に固定して活動するような高い磁力が出ている環境で作業することもあるので、第1種耐磁時計以上の耐磁性が要求され、これを満たす必要があります。

【磁気の性質】

磁気の強さは距離の2乗に反比例します。従って、磁気を発生する製品から時計を離せば、磁気による影響は小さくなります。

【身の回りの磁気を発生させる機器と時計への影響】

機器 時計との距離 一般時計 1種耐磁時計 2種耐磁時計

イヤホンのスピーカー 0cm × × ×
1cm
5cm
携帯電話・スマートフォン、マイク、ヘッドフォン、オーディオプレイヤー、パソコン・タブレット、電子辞書・ポケットラジオなどのスピーカー
ハンドバッグの磁石部分
0cm × × ×
1cm × ×
5cm
タブレットカバー
健康磁気製品
0cm × × ×
1cm × × ×
5cm ×

IH調理器 0cm × × ×
1cm × × ×
5cm × × ×
電気かみそり 0cm × ×
1cm ×
5cm
ACアダプター 0cm
1cm
5cm

注意)時計は磁気に弱い製品です。上記以外の磁気を発生させる機器にもできるだけ近づけないでください。